2026/08/20 16:09
燻製壱岐産アジの干物をひと口食べる。そのあとに、シチリアの白ワインをひと口。すると、口の中に残っていた脂と燻香が、すっと引いていきました。「洗い流す」という言葉が、いちばん近いかもしれません。干物の塩気と燻香の余韻が濃く残っていたはずなのに、気づけば次の一口へ、自然に箸とグラスが伸びていました。

なぜ、この組み合わせなのか
シチリア島西部・トラパニ地区で育ったブドウと、壱岐の海で育ったアジ。どちらも海に囲まれた土地からやってきました。もちろん、だから相性がいいわけではありません。実際に合わせてみて、面白かったのは、その先でした。

Colpasso Pinot Grigioという一杯
一口目に感じるのは、フルーティーでさっぱりとした飲み口。トロピカルフルーツや柑橘を思わせる香りが軽やかに立ち上がり、ほのかなスパイスが奥行きを添えます。口当たりはなめらかで、ワインに詳しくない人でも構えずに楽しめる、飲みやすいタイプの白です。それでいて余韻は長く、飲んだあとにもふわりと香りが残ります。

あじをひと口、白をひと口
葦束の燻製アジ干物には、脂と塩気、桜チップで燻した香ばしさが凝縮されています。そこにColpasso Pinot Grigioを合わせると、あじの脂や塩気、燻製で凝縮した香ばしさを、ワインがすっとさらっていく感覚があります。互いの個性を消し合うのではなく、ワインが後を追いかけて、口の中を整えていくような感じです。次のひと口を、また美味しく迎えられる。「洗い流す」という言葉が、妙にしっくりきました。
食卓の情景
夕方、まだ外が少し明るい時間に、アジを焼いてみてください。皿に盛った干物の横に、レモンをひと切れ。冷やしておいたColpasso Pinot Grigioをグラスに注ぐ。アジをひと口、ワインをひと口。そして、また箸を伸ばす。それだけで、十分に整う食卓です。
あじをひと口。白ワインをひと口。壱岐とシチリア、遠く離れた二つの島の味が、そんな何気ない繰り返しの中で、ひとつの食卓になっていきます。
今回のペアリングのポイント
シチリア島トラパニ地区産、Colpasso Pinot Grigioのフルーティーでさっぱりとした飲み口が、燻製壱岐産あじの干物の脂・塩気・凝縮した香ばしさを、口の中ですっとさらっていきます。互いを打ち消すのではなく、ワインが後を追うように整えていく、次のひと口へ気持ちよくつながる相性です。
次回は、Colpasso Fianoをご紹介します。どんな食卓で楽しむか、お楽しみに。
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