2026/07/13 10:00
「毎日、同じ時間に同じ作業をしているんですか?」そんな質問をいただくことがあります。工房では毎日決まった手順を繰り返している。そんなイメージを持たれることが多いようです。でも実際は、その日によって最初にする仕事も、燻す時間も違います。なぜなら、燻製づくりは時計ではなく、その日の素材や気候に合わせて進める仕事だからです。私の一日に、決まった形はありません。
燻製は、時計ではなく、その日の空気と向き合ってつくるもの
燻製づくりは、時間だけで管理できる作業ではありません。煙の入り方は、その日の気温や湿度によって変わります。湿度の高い梅雨時と乾いた真夏では、香りの付き方も変わります。庫内の温度と湿度を見ながら、香りや色合いを確認して「今日はもう少し」「今日はここまで」と、その都度判断しています。朝、工房に入って最初に取りかかる仕事も、日によってさまざまです。届いた食材の状態を見て、その日いちばん気を配るべきものから手をつけます。仕入れの状況で予定が変わることも珍しくありません。決まった流れがないというのは、行き当たりばったりということではありません。その日ごとに一番丁寧な仕事を選び続けること。それが、私にとっての燻製づくりです。

壱岐という場所が、この不揃いさをつくっている
壱岐は、海に囲まれた小さな島です。季節や天候による気温・湿度の変化が大きく、都市部の工場のように一年を通して安定した環境ではありません。最初は、不便だと思っていました。でも今では、この不揃いさこそが、ここでしかつくれない燻製の理由になっていると思っています。工業製品のように毎日同じ環境で仕込むのではなく、その日の気温や湿度に合わせて手を動かす。効率だけを考えれば、もっと早いやり方もあるのかもしれません。それでも、壱岐の気候と素材に向き合いながら、一つひとつ燻製を仕上げています。

まずは少しずつ、壱岐の燻製を楽しんでください
そんなふうに、その日の素材や気候と向き合いながら仕上げた燻製を、まずは少しずつ味わっていただけるのが「燻製お試しセット」です。気に入っていただけたら、壱岐産 燻製あじの干物や壱岐産 燻製たまごなど、お好みの商品もぜひ試してみてください。あじの干物は、仕入れた干物の状態を見ながら燻し加減を調整したもの。たまごは、その日の気温や湿度に応じて、燻す時間を少しずつ変えて仕上げています。その日その日の判断から生まれた違いも含めて、楽しんでいただけたら嬉しいです。
決まった一日がないということは、毎日その日の素材と向き合い、その日にしかできない仕事を積み重ねるということです。効率だけを考えれば、もっと早いやり方もあるのかもしれません。それでも私たちは、壱岐の気候や素材に合わせながら、一つひとつ燻製を仕上げています。商品を手に取ったとき、その中には、その日の壱岐の空気や素材と向き合った時間が詰まっていることを、少しだけ感じていただけたら嬉しいです。
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